国際社会における「法の支配」、という概念について再考し、特に、実体的に規定されていることのみを法とし、手続法に基づいて行われた判断や決定については法として観念するのか、といった点は、学術的にも長く考察対象とされてきた「法の支配」の概念の研究においてもなされていなかった研究であり、その部分で新規・独自性があると考えられる。法的拘束力はあれど強制力がない国際法について、それをどのように実質的に強制力のあるようにしていくか。研究期間中にロシアの侵略戦争がはじまり、国連安保理でも国家間の「法の支配」が議論されたこともあり、残念ながら、本研究の意義が高まったと言える。
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