本研究では、まず、海戦法規の基本原則は約100年以上の長きに亘り変化せず、また、陸戦法規とは異なり第二次世界大戦以降にアップデートされた条約が存在しないことを前提として、慣習国際法に関する国家実行およびその評価が海戦法規の発展には重要であることを確認した。それを踏まえ、本研究は、軍事科学技術の発達に伴う装備体系の近代化が海戦法規に及ぼす影響という大テーマを設定し、新たな海戦の手段(武器)である無人海上システム(UMSs)および測的機器の発達による視界外からの攻撃が主流とされている電子戦環境下で交戦国が一定の海域を排他的にしようする作戦海域という海戦の方法(戦術)についてそれぞれ検討を行った。
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