研究課題/領域番号 |
19K13539
|
研究機関 | 淑徳大学 |
研究代表者 |
渡辺 由希 淑徳大学, 総合福祉学部, 講師 (30738696)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | 法心理学 / 被疑者面接法 / 知的障害者 |
研究実績の概要 |
当該年度では、研究実施者の体調不良により、予定通りに研究をすすめることが難しい状況にあった。また、昨年から引き続きコロナ禍による衛生管理体制の厳格化により、データの収集が困難であった。そのため、今後実施予定である知的障害者施設での取調べの模擬実験のため、知的障害者に対する取り調べ技法について検討を行った。 これまで明らかになったこととして、知的障害者の被疑者取調べは、被尋問者(知的障害者)が質問からずれた応答をしたでも、取調官(警察官)がそれを訂正せず、話し手の語りを促すような発話をしていた。しかしながら、質問に対する適切な回答を得られないことは、結果的に内容不十分な取調べとなる可能性が考えられる。またその穴を埋めるために、取調官による内容の補填が行われる可能性もありうる(故意でない場合も含まれる)。そのため、被尋問者が質問からずれた応答をした際には、本来の質問に対する回答を得るべく、コミュニケーションをデザインする必要がある。 従来の認知面接法やイギリス式取調べ技法であるPEACE等を鑑みると、およそ次のような構造が考えられる。すなわち、(1)ラポールの形成、(2)被疑事実の確認、(3)自由報告、(4)質問段階、(5)終結段階である。なお、(2)被疑事実の確認段階では、被疑事実を認める(自白)場合と、認めない(否認)場合に分けられ、(3)以降は被尋問者がどちらを回答したかによって場合分けがされる。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究実施者に内臓疾患が発覚し、それの治療を行ったため、十分に研究の時間が確保できなかったため。
|
今後の研究の推進方策 |
新型コロナウィルス感染症が5類に変更されたことに伴い、知的障害者施設の衛生管理体制も緩和されることが予測される。そのため、延期せざるを得なかったデータ収集を、今後は実施できる見込みが高い。
|
次年度使用額が生じた理由 |
データ収集が実施できなかったため、次年度使用額が発生する見込みである。これについて、今後研究協力先および研究協力者への謝礼、機材・文献の購入等に使用予定である。
|