研究課題
若手研究
犯罪の継続が問題とされる場面には様々なものがあり、また犯罪の構成要件要素は様々な政策的考慮を加味して規定されている。そのため、犯罪が継続するかどうかは、何か特定の要素だけを取り上げて論ずることができることができる性質のものではない。むしろ、問題となっている特定の事実が構成要件上どのような意義を有しているかどうかを分析、検討することにより、そのような事実が持つ刑法上の意義・評価を明らかにすることによって、個別具体的問題を解決することが望ましい。
刑事法学
本研究によって、様々な個別の犯罪論上の問題は、それぞれの領域において検討すべきことを改めて確認できる。犯罪の継続・終了という「用語」が一定の「結論」を示す言葉に過ぎず、その検討の過程を示すものではないということを示したことで、個別の犯罪論上の問題の具体的検討をさらに促すことが可能となった。このことは、進んで、構成要件及びその要素のより精緻な検討を促すことを意味していると考えられる。