本研究の成果は、特に、現在準備が進められている動産・債権を目的とする譲渡担保の実行方法に関する法改正との関係で、ありうる方向性のひとつを示すものである。具体的には、動産・債権を目的とする譲渡担保について、債務者と担保権者との間の利害調整や担保権者と他の債権者等との間の利害調整を適切に行うために、民事執行手続による実行を認めるべきことが示されるとともに、民事執行手続によらない実行に関しても、債務者と担保権者との間の利害調整や担保権者と他の債権者等との間の利害調整を適切に行うために、裁判所の関与を認めるべきことが示されたものと考えられる。
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