研究課題/領域番号 |
19K13592
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
辛島 理人 神戸大学, 国際文化学研究科, 准教授 (20633704)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 日米関係 |
研究実績の概要 |
アメリカのフィランソロピーや日本の社民勢力を射程に入れて戦後日本の政治経済史を描くことが本研究の主題である。1950~60年代に日本で幅広い層に対して積極的な働きかけを行ったフォード財団を結節点にした、アメリカのリベラルと日本の社民政党・労組、経済官僚・財界、反共リベラル文化・知識人との関係を検証が具体的な事例として想定されていた。しかしながら、新型コロナウイルス感染症により、移動の制限が世界的に広がり、それにともなって、研究プロジェクトの修正を行った。 今年度は、昨年度に続き、観光政策を軸とする日米関係について、主に1970年代以降に存在感を増す国際機関とそれに対する日米の対応について研究を進めた。事例として関西に駐日事務所をおく国連世界観光機関UNWTOを取り上げ、20世紀初頭からの歴史を概括したうえで、日本とアメリカそれぞれの関わり方について考察を行った。UNWTO憲章(1970年秋に採択)に基づき1975年に設立されたUNWTOは、観光分野における世界最大の国際機関で、「責任ある、持続可能で、誰もが参加できる観光の推進」を責務としている。UNWTOは、日本をふくむ加盟国160ヵ国、加盟地域6地域、オブザーバー2地域、500以上の賛助加盟員により活発に活動しているものの、米英豪などが相次いで脱退している。 また、日米関係の歴史的経緯や現状をふまえるため、幕末明治期におけるアメリカのキリスト教団体やクリスチャンの日本関与、戦時期における日米文化交流の遺産とその切断などについて概観した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナウイルス感染症により、移動の制限が世界的に広がり、それにともなって、研究プロジェクトの修正を行い、それにより現実的な計画・実施が可能となった。
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今後の研究の推進方策 |
図書館の文献およびデジタル史料館を用いた研究に注力することによりコロナの影響を最小限にとどめている。海外調査の再開を検討しつつ、コロナの感染状況にともなう政策変更に柔軟に対応するようにしたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
移動の制限がなくなれば海外での資料調査を行う予定である。
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