| 研究課題/領域番号 |
19K13612
|
|---|
| 研究機関 | 南山大学 |
|---|
研究代表者 |
森山 花鈴 南山大学, 法学部, 准教授 (40635702)
|
|---|
| 研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
| キーワード | 自殺対策 / 政策過程論 / 地方自治 / 公共政策 / 行政学 |
|---|
| 研究実績の概要 |
本研究の目的は、これまで減少傾向にあった日本における自殺者数について、「なぜ自殺が減ったのか」を地域レベルでの自殺の現状と併せて明らかし、市町村において必要とされる自殺対策を提示するものである。
しかし、2020年・2021年は各自治体での自殺者数の増加が明らかとなった。そのため、2021年度（3年目）は、自殺者数の現状について把握するとともに、新型コロナウイルス感染拡大の影響もあると考えられるため、前年に引き続き新型コロナウイルス感染拡大に伴う意識調査なども実施してきた。また、自治体への現状ヒアリング等も実施してきた。
さらに、国内外の自殺対策関係者・自死遺族支援団体の関係者、自死遺族からもヒアリングを継続して実施し、毎月自殺対策に関する研究会も実施してきた。
ただし、研究開始当初の状況とは大きくことなり、対面でのヒアリング調査が難しくなったほか、新型コロナウイルスによる自殺者数への影響も大きく出ていると考えられ、慎重な研究が必要な状況となっている。
研究実績として挙げられるのは、2021年6月にオンラインで開催された第18回日本うつ病学会総会での学会発表や、2021年9月にオンラインで開催されたInternational Association for Suicide Prevention 31st WORLD CONGRESSでの学会発表などである。なお、論文としては『精神科治療学』第36巻8号へ「国の社会的自殺対策の変転」と題する投稿を行ったほか、『医学のあゆみ』279巻1号に「自殺対策におけるSNSを活用した危機対応」と題する投稿を行った。
|
| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2021年度は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響もあり、自治体職員の負荷も大きくなっており、対面でのインタビュー調査が難しい状況となっている。また、新型コロナウイルスの感染拡大の影響からか自殺者数についても全国的に大きな変動が出ており、慎重に状況を見据えながら研究を進める必要があるため、研究全体としてはやや遅れている状況となっている。
|
| 今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルスの感染拡大に伴うとみられる自殺者数の増加もあり、現状の日本は災害状態に近い形となっており、自殺者数の変動も大きく、その分析については慎重になる必要がある。また、自治体では事業の中止や延期なども相次いでいるため、研究計画当初の分析は難しい状況となっている。そのため、この新型コロナウイルス感染拡大の状況下で実際に実施された政策を中心に分析を進めていきたいと考えている。
|
| 次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの感染拡大により、研究の進捗がやや遅れたため、計画を延長し、次年度に研究費を持ち越している。延長した2022年度は、最終年であった3年目に実施する予定だった分析を実施する予定である。
|
