本研究では、①大正期における政党政治構想の多様性と構想間の対抗関係②これら諸構想や対抗関係のなかから、政党内閣期がどのように、いかなる影響を受けて成立したのかを検討した。その成果は以下のようにまとめられる。 ①政党政治構想とは区分されてきた両院縦断構想を衆議院・貴族院の共通政党を目指した政党政治構想として位置づけ、また多様な勢力の連立を策した挙国一致構想を「国策」という視点から政党政治構想との関係性のなかで再定位した。②衆議院優位に基づく政党内閣期が両院縦断構想との対抗関係から成立したこと、そのことが両院関係のあり方、また政党の勢力拡大のあり方をめぐる規範性に影響を与えたことを明らかにした。
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