本研究は、所得格差に対する認識が経済評価を形成し、それが政治的な支持にいかに影響を与えるのかを分析することを目的に進められた。分析のアプローチとしては、(1)ミクロ・レヴェルの意識調査・実験データを用いるもの、(2)マクロ・レヴェルの世論調査データを用いるものの2種類を計画した。一連の研究を通じて、(1)マクロ・レヴェルでの新たな経済評価指標、党派性指標を構築し、(2)ミクロ・レヴェルの実験研究による補完も進めたことで、日本においては、(3)党派性が経済評価に先行するものの、なおもって政治的な支持に対して経済評価が大きな影響を与えていることが明らかになった。
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