研究課題/領域番号 |
19K13616
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
小林 悠太 広島大学, 人間社会科学研究科(社), 助教 (30824263)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 政策調整 / 府省間調整 |
研究実績の概要 |
新型コロナウィルスの拡大を踏まえ研究計画を変更し、本年度は1990-2010年代の政策調整に関する動向を3つのレベル(組織基盤、内閣、省庁間)に分けて検討した。当初予定では個別の政策分野における事例研究を予定していたが、機関異動により資料収集計画を変更して公開資料の整理と記述に注力した。 第一に、中央省庁組織における課内室の増加に着目し、2000年代以降の政府中枢に権限集中が生じる前に、そもそも行政官僚制が分散化(下位者への権限移譲)を始めていたことを明らかにした。第二に、昨年度公刊した共著論文の成果をもとに、政策会議の研究を進めて内閣・内閣府に置かれた合議体による政策調整を包括的に検討した。第三に、2000年代以降に制定された共管法の動向を検討し、かつて「御三家」と呼ばれた省庁が今でも多くの新規共管法を所管していることを検討した。 以上の成果をもとに、特に10月以降は日本の行政官僚制における政策調整を複層的にとらえる作業に注力した。成果の一部は、日本行政学会2020年度研究大会で報告したほか、来年度公刊予定の単著に反映させる予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2020年度の早期に代替案の遂行にシフトしたため、当初予定とは異なるものの一定の成果をおさめることができた。また出版助成を獲得できたことで、来年度中の単著公刊に向けた準備が進展した。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度は、政策調整と政策調整の狭間で生じる「調整の調整」を検討する予定である。具体的には、政策会議の所管の重複が生じやすい分野について包括的に見ていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルスの拡大により、参加を予定していた学会がオンライン開催になったため。来年度も引き続き同様の状況が続くと考えられるので、次年度使用額は研究設備の整備に用いる。
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