研究課題/領域番号 |
19K13622
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研究機関 | 国士舘大学 |
研究代表者 |
吉本 真弓 (板山真弓) 国士舘大学, 政経学部, 講師 (10806566)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 日米関係 / 防衛協力 / 日米安保体制 / 同盟 |
研究実績の概要 |
2022年度は、コロナ禍の状況が改善し、ようやく海外での調査が可能になった。本研究では、当初、米国での調査を予定していたが、コロナ禍により実施できない時期には、オンラインで史料を収集したり、また、過去に収集した史料を見直したりして研究を進めていた。その研究が進展し、日本及び米国を含む多国間での共同演習に関連する調査が必要になったため、本年度はニュージーランドでの調査を実施した。具体的には、ニュージーランド国立公文書館及びニュージーランド国立図書館にて一次資料の収集を行ったが、今回の調査で収集した史料は、本研究にとって、大きな意義のあるものであった。また、ニュージーランドは、米国や英連邦諸国と情報交換を行っており、今回収集した史料より、日米同盟に関する米国や英国、オーストラリアからの情報を得ることもできた点も重要であった。 これに加えて、2020年度に開始した新たな研究(日米同盟における防衛協力の公式化を可能にした背景に関する研究)も、引き続き進めた。国立公文書館、外交史料館等において史料収集を行うと共に、研究の成果をまとめた論文を執筆中である。この研究に関連して、既に出版した論文では、秘密裡に実施された防衛協力の公式化がなされるか否かには、この問題に対する日本の政治家の思想、そして勢力分布が影響を与えるとの考えより、主に吉田政権について分析を行った。当該研究では福田政権までの分析を予定しており、本年度は主に、鳩山政権から池田政権までの研究、調査を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍のため、2020年度及び2021年度に計画していた海外の公文書館での資料収集を全く実施することができなかった。今年度、海外での調査を再開したものの、依然として遅れを取り戻せない状況であるため。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は、可能な限り、これまでにできなかった資料収集を進めることとする。特に、多国間での共同演習に関する研究を進めるべく、米国国立公文書館(メリーランド州カレッジパーク)及び、カナダ国立図書館・文書館(オンタリオ州オタワ)等にて関連史料の収集を実施する。 同時に、2020年度より開始した、日米同盟における防衛協力の公式化に関する研究も継続する。本年度は、昨年度実施した鳩山政権から池田政権までの分析結果を論文として出版すると共に、佐藤政権から福田政権までの分析を実施することとする。こちらについては、主に国立公文書館(東京)、外交史料館(東京)での史料収集を実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍により、2020年度及び2021年度の米国での調査が実施不可能となったため、旅費の支出がなかった。2022年度に余剰額を使用する予定であったが、全て使用できなかったため、2023年度に繰り越すことになった。繰り越し分は、主に、米国及びカナダでの調査、そして日本での調査に使用する。
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