本研究プロジェクトでは、武力紛争に伴って命を落とした市井の人々について、誰が調査し、データ化しているのかを調査・研究した。このデータ化においては、国際NGOと国際組織が非常に重要な役割を果たしていることが明らかになった。国際NGOは1970年代以降、このデータ化の取り組みを行っており、2000年代以降にはNGOの増加とともに、データ量は一気に増加した。それと同じか、それ以上に重要なのが、国際組織によるデータ化の試みである。国際刑事裁判所のように、武力紛争に伴う刑事責任を問う組織に加えて、国連の人権関連組織(たとえば、人権理事会や人権高等弁務官事務所など)もまた非常に重要な役割を果たしてきた。
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