本研究は、ネットワークマッチング問題における比較静学の理論を構築し、現実の制度設計に応用することを目的とする。ネットワークマッチング問題とは、複数の主体の間の取引を記述するモデルである。既存モデルでは主体間の実行可能な取引構造が外生的に与えられており、本研究ではこれを取引ネットワークと呼ぶ。市場への新規参入や法的規制などで、取引ネットワークは変化することがある。本研究では取引ネットワークが均衡ネットワークに与える影響を分析し、 特に均衡ネットワークが存在するための条件を新たに導出している。また、ネットワークマッチング問題の応用例として介護サービス供給者と利用者の間のマッチング問題を分析した。
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