本研究の目的は、レポ取引の売り手による決済フェイルとその対策が、レポ市場に与える影響を明らかにすることである。購入日(開始日)における戦略的な決済フェイルに加えて、再購入日(終了日)に売り手がデフォルトを起こし得る状況を分析した。この分析において、再購入日における売り手のデフォルト確率が上がったときに、購入日における売り手の決済フェイルに対してより厳しい罰則を設けることは必ずしも社会的に望ましくないことを示した。このことは、金融危機のように、売り手が高い確率で資金不足に陥る状況において、売り手の決済フェイルに対する罰則を強化することは必ずしも望ましくないことを示唆している。
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