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2019 年度 実施状況報告書

限定合理性に基づく実用的な投票方式の設計

研究課題

研究課題/領域番号 19K13661
研究機関桃山学院大学

研究代表者

西崎 勝彦  桃山学院大学, 経済学部, 講師 (20722953)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワードメカニズム・デザイン / 社会的選択 / 投票 / 耐戦略性 / 限定合理性
研究実績の概要

当初の計画通り,2019年度は中位投票者方式が目標とする結果をk-セキュア遂行(Nishizaki, 2018)する状況(限定合理的なプレーヤーの人数の上限と選好条件)を明らかにした.
Saijo, Sjostrom, and Yamato (2007) は,全てのプレーヤーが限定合理的であったとしても,望ましい結果を達成する(セキュア遂行する)メカニズムの重要性を指摘したが,そういったメカニズムの設計は理論的に困難であることがその後の研究で知られている.そこで,本研究では限定合理的なプレーヤーの人数をk人以下と想定し,その他のプレーヤーは合理的であると仮定して,目標とする結果を達成する(k-セキュア遂行する)メカニズムの設計可能性を分析することに取り組む(実験研究でも全てのプレーヤーが限定合理的であることは観察されていない).本研究では特に投票方式に焦点を当て,どのような環境(限定合理的なプレーヤーの人数の上限と選好条件)において,いかなる投票方式が望ましい結果を達成することができるのか(k-セキュア遂行できるのか)明らかにすることに取り組む.
本研究の第1段階として,2019年度は投票環境において望ましい結果を支配戦略均衡として実現するメカニズムとして有名な中位投票者方式を取り上げ,この投票方式が限定合理的なプレーヤーが存在する状況においても目標とする結果をk-セキュア遂行する環境を明らかにすることに取り組んだ.その結果,限定合理的なプレーヤーの人数(kの範囲)は(n+1)/2以下である必要があり(「n」は奇数でプレーヤー全員の人数),かつ限定合理的なプレーヤー全員が支配戦略ではない最適反応を選んだとしても目標とする結果を実現し続けられるほど,その結果が多くのプレーヤーに支持されているような状況でなければならないことが明らかになった.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の計画通り研究が進展しているため.

今後の研究の推進方策

当初の計画通り,Nishizaki (2018) が提案したk-セキュア遂行のための必要十分条件によって中位投票者方式の特徴づけを試みつつ,これまでの研究成果を国内外の学会などで報告して研究の推進に努める.報告については,研究成果の公表はもとより,それを契機に他の研究者と交流を深めて研究の新たな方向性を見出すことを試みる側面もあることから,新型コロナウイルス感染症による影響を踏まえ,状況によっては報告は次年度以降に先送りすることも検討する.

次年度使用額が生じた理由

校務との兼ね合いで予定していた学会出張に行けなかったことと,英文校正を予定していた論文に大幅な改訂の余地が存在するために校正依頼を次年度以降に見送ったことによる.次年度に見送っている英文校正を依頼する予定であるが,学会出張については,新型コロナウイルス感染症による影響によっては,さらに翌年度に見送ることも視野に入れている(これを受けて,当初次年度に使用を予定していた旅費も,さらに翌年度に繰り越すことを視野に入れている).その他は当初の計画通り使用する予定である.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Strategy-Proof Mechanism Design with Boundedly Rational Agents2020

    • 著者名/発表者名
      Nishizaki Katsuhiko
    • 雑誌名

      SSRN Electronic Journal

      巻: - ページ: 1-34

    • DOI

      https://dx.doi.org/10.2139/ssrn.3564917

    • オープンアクセス

URL: 

公開日: 2021-01-27  

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