研究課題/領域番号 |
19K13663
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研究機関 | 大正大学 |
研究代表者 |
西林 勝吾 大正大学, 地域創生学部, 専任講師 (00758237)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | A.V.クネーゼ / 水資源管理 / 放射性廃棄物処分場 / 環境経済学史 / 政策主体 |
研究実績の概要 |
本研究の内容は①「環境経済学の父」であるA.V.クネーゼの環境経済理論を再構成すること、および②水資源管理やエネルギー問題についての事例研究(フィールドワーク)を行うことである。
①については、次の2本の論文執筆を進めた。一つは、クネーゼの水資源管理を起点とし、水管理組合の導入によって宇沢弘文の社会的共通資本の数理モデルをアップデートする論文である。クネーゼに影響を受け、ルール水管理組合による水資源管理をモデル化した成果と、コモンズ的組織による社会的共通資本の管理をモデル化しようとした宇沢の成果を組み合わせる。もう一つは、クネーゼが70年代に取組んだ物質収支アプローチを再検討し、経済学史の文脈に位置付ける論文である。物質収支アプローチをより明確に経済思想史に位置付けるために、カップの社会的費用論、都留重人の素材と体制という枠組みを補助線として導入する。
②については、2023年3月に、ドイツ、オランダにて水資源管理を行う水管理組合の現地調査を実施した。特に、アイフェル=ルール水管理組合(ドイツ)と、リンブルク水管理組合(オランダ)の比較研究に関する論文を執筆する準備を進めている。また、2023年3月には、フィンランドにて放射性廃棄物の処分に関する地域調査を実施した。こちらの調査については、論文を2023年7月に公刊する予定となっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2021年度、2022年度にかけて、コロナ禍の影響で、当初予定していた海外・国内調査を実施することができなかったため。また、思想史研究については、資料の整理、分析が遅れているため。
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今後の研究の推進方策 |
ドイツ、オランダを中心とした水資源管理の調査、フィンランドを中心とした放射性廃棄物処分に関する現地調査を今年度も進めていく。 学史・思想史系の論文執筆については引き続き注力し、今年度中に海外ジャーナルに2本投稿できるよう、作業を進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍の影響で海外調査が計画が遅れているため。
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