研究課題/領域番号 |
19K13664
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分07020:経済学説および経済思想関連
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
武井 敬亮 福岡大学, 経済学部, 准教授 (90751090)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | ジョン・ロック / ジョン・エドワーズ / 『キリスト教の合理性』 / 『パウロ書簡注解』 / 理性 / 啓示 / 無神論 / 聖書 |
研究成果の概要 |
本研究の成果として、第一に、ジョン・ロックの『キリスト教の合理性』(1695年)に対する国教会聖職者ジョン・エドワーズの批判、及び、それに対するロックの反論を、当時の歴史的文脈を念頭におきながら分析することにより、ロックの合理的な聖書解釈の特徴やその社会的意味合い(理神論者に対する批判、及び、宗教的熱狂に対する警戒)を明らかにした点が挙げられる。第二に、ロックの『パウロ書簡注解』(1705-1707年)を分析することにより、そうしたロックの聖書解釈が、『人間知性論』で展開される自らの知識論(自立的な知性の働き)にもとづいていたことを示した点が挙げられる。
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自由記述の分野 |
社会思想史
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的意義として、特に以下の二点が挙げられる。一点目は、当時の歴史的文脈の中でロックの宗教的著作を分析することにより、ロックの聖書解釈の特徴をより明確に把握することができたことである。晩年のロックについては、しばしば、理性から啓示に立脚点をシフトしたと言われるが、ロックが聖書解釈をするにあたり、『人間知性論』や『知性の正しい導き方』で展開される知識論を援用していたことを具体的に示すことができた。二点目は、そうした聖書解釈を提示したロックの意図やその社会的意味合いを、教義論争が過熱することによる宗教的熱狂や社会不安に対するロックの批判的態度の表れとして解釈できることを示したことである。
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