いくつかの本研究成果の共通した着眼点は,変数選択法と,予測量の不確実性の評価との関連である。小地域推定においては,各小地域の推定対象の値を言い当てること(点予測)だけでなく,その不確実性を見積もることを重視している。不確実性の評価方法として,平均二乗予測誤差(MSPE)と呼ばれる指標が一般的であるが,既存手法のほとんどは,候補モデルが真であるという仮定のもとでMSPEを評価していた。しかし本研究においては,この仮定をおかずに,変数選択の不確実性を明示的に考慮したMSPEの評価を行った。従来手法はMSPEを過小評価している可能性が高いことから,本研究成果は学術的にも社会的にも意義が大きい。
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