研究課題/領域番号 |
19K13680
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
原田 峻平 岐阜大学, 教育学部, 助教 (70735224)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | PFI事業 / 入札 / 競争性 / 意思決定モデル |
研究実績の概要 |
前年度に引き続き、実証研究の第1段階である入札参加事業者の意思決定モデルの構築を進めている。これは、これまでの研究では明らかになっていない、PFI(Private Finance Initiative)事業の入札に参加する事業者が入札参加を決定する要因を明らかにすることで、入札の競争性を高めるための制度設計に関する議論に資することを目的としている。 今年度は、前年度に実施できていなかった、事業参加経験を有する民間事業者やPFI事業実施経験を有する地方自治体の担当者へのヒアリングについて一部実施することができた。 民間事業者からは、同業他社の動向を把握したうえで入札への参加を決定している事例が見られることや、先行する類似事例での経験や当該事業が実施される地域の地元企業との関係構築の可否も入札参加の意思決定に影響していることなどの情報が得られた。一方で、自治体の担当者からは、勉強会などの開催によって地元企業にPFI事業の仕組みなどのノウハウを共有していくことで参加事業者を増やす取り組みをしていることや、大手事業者と地元事業者のネットワークの構築のための機会(地域プラットフォームの活用など)を積極的に設けていることなどの情報が得られた。 まだ予定していたヒアリングが完了していないため、引き続き日程調整のうえヒアリングを実施していくとともに、これらのヒアリングで得られた要因を変数化して推定モデルに投入するための作業も同時に行っている状況である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本来であれば研究を完了している予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う影響(ヒアリングの延期、講義のオンライン化など業務対応の増加)から完了に至らなかったため、1年間の研究期間延長となった。
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今後の研究の推進方策 |
まずは遅れている作業を速やかに完了させる必要がある。そのため、ヒアリングのオンラインでの実施を進めるとともに、現在検討しているいくつかの変数を含んだ推定モデルについて実際に推定を行うことを同時に進めていく予定である。これらの作業を夏までに完成させ、今秋に開催される学会で研究成果を発表し、学術誌への投稿を年度内に完了させる予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
旅費として計画していた金額が残っている。これは、新型コロナウイルス感染拡大の影響で1年間(2020年3月から)ヒアリングや研究相談などを目的とした出張ができていないためである。2021年度に入ってからも感染の再拡大などがあり、一度予定を立てたヒアリングが再延期になるなどの影響を受けているが、感染の状況を踏まえながら出張計画を立てて遂行していく予定である。ただし、オンラインでのヒアリングに切り替えることになったものもあるため、旅費として計画した経費の一部をオンライン会議用の備品の購入や国際学術誌投稿のための英文校正費用に振り向けることも計画している。
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