研究実績の概要 |
本研究では (問い1)政府に関しての 土地保有見込みと土地開発の関係を見るために、常に領地を没収されるリスクがあった大名が、将来にわたって確実に領地を保有する見込みを得ることで、領地への土地開発改良投資を増やすのか (問い2)土地所有者間調整コストと土地利用高度化の関係を分析するために、歴史的に大名屋敷のような大土地所有もたらす長期的な影響を分析することとした。
(1)に関しては、実際にリスクが低下する事が投資を促進することが判明し、その内容をまとめた結果が2020年に開発経済学のトップジャーナルであるJournal of Development Economics誌に掲載された。(2)に関しては、大名屋敷のような区画が大きいところは、現代も依然として大きな区画が残っていること、またそれが高層ビルの建築を可能にし地価の上昇が見られることなどが判明した。これらの結果は"From Samurai to Skyscrapers: How Transaction Costs Shape Tokyo"としてまとめられ、2021年度にはThe Asian Real Estate Society (AsRES), the Global Chinese Real Estate Congress (GCREC)と the American Real Estate and Urban Economics Association (AREUEA)から年次大会の最優秀論文賞である、the Homer Hoyt Institute Best Paper Awardを受賞した。最終年度には、国際ワークショップや海外大での発表を行い、継続した改訂の結果国際誌への投稿可能な段階に至った。
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