研究課題/領域番号 |
19K13683
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
金 志映 岡山大学, 社会文化科学研究科, 特任助教 (00760779)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | CES型多要素集計関数 / 生産関数 / 双対アプローチ / 代替弾力性 / 多地域多部門多要素の動学的一般均衡モデル |
研究実績の概要 |
本研究では、生産関数や効用関数などの実証モデルとして標準的な、一次同次CES型多要素集計関数について、その双対関数から導かれるモデルの定式化に基づき、回帰式の係数から代替弾力性を、定数項から集計量を推定する方法を開発する。従来の一階条件に基づく定式化では、パラメータ推定のために時系列方向に相当なサイズのサンプルが必要であるのに対し、双対関数に基づく定式化は、サンプルサイズを確保しやすい横断面方向の自由度が利用できるため、短期的で多要素の実証モデルの推定に適しているといえる。本研究では、このような双対アプローチの特徴を利用し、多要素による多部門の費用関数、代表消費者の間接効用関数、輸入財の集計関数などの推定を行い、実証的な双対関数系による多地域多部門多要素の動学的一般均衡モデルを構築する。 具体的には、まず、①各要素入力の支出シェアがある程度の時系列で利用できる接続産業連関表を用い、そこに記録されている全産業部門についての単位費用関数の推定を行う。その際、得られる集計量と観測される価格より、各産業部門の全要素生産性増が副次的に計測される。②家計消費支出の数値から同様の方法を用いて、代表的消費者の間接効用関数の推定も行う。さらに、③資本サービス価格、固定資本形成の実績、時間選好率、オイラー方程式などを用い、動学的一般均衡モデルを双対関数系として構築する。また、④Comtradeで得られる(年度別商品別輸入元別数量および価格)サンプルを用い、国内財対輸入財および輸入元間のアーミントン代替弾力性からなる輸入財の集計関数を推定する。⑤同様のモデルを日本をはじめ韓国や中国についても構築し、最終的に、⑥貿易を含む多地域多部門多要素の動学的一般均衡モデルを構築する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和元年度中に、①各要素入力の支出シェアがある程度の時系列で利用できる接続産業連関表を用い、そこに記録されている全産業部門についての単位費用関数の推定を行うを行う計画であったが、研究代表者の産前産後休暇及び育児休業取得のため、中断せざるを得なくなった。したがって、やや遅れている状態だと言わざるを得ない。
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今後の研究の推進方策 |
研究代表者の産前産後休暇及び育児休業取得のため中断を余儀なくされていた、①各要素入力の支出シェアがある程度の時系列で利用できる接続産業連関表を用い、そこに記録されている全産業部門についての単位費用関数の推定について、復職後速やかに再開させたい。また、引き続き可能な範囲で学会等での成果報告を計画している。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究代表者の産前産後休暇及び育児休業取得のため、年度途中で研究中断を余儀なくしたため。
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