研究実績の概要 |
2022年度は、本研究開始当初よりデータ取得を開始した東北メディカルメガバンク(Tohoku Medical Megabank Organization (ToMMo) (ToMMo, n.d) . https://www.megabank.tohoku.ac.jp/activity)のデータを用いて分析をし、論文を執筆(論文名「Birth weight and labor market outcomes: Findings from Tohoku Medical Megabank Data」)、医療経済学会にて報告。現在、投稿中(査読中)である。本論文は、超低体重出生児が成人期において自然災害などが発生した際には労働市場において不利となったり、所得が低下することを明らかにした。一方で低体重児においては通常体重児と大きな差は確認されていらず、日本は海外に比べて低体重での出生と将来への負の影響が小さいことが示唆され、これらは先行研究の結果と一致している。 また、コロナ禍での政策的対応が産婦の心の健康状態を悪化させ、それらが子どもの健康に影響を与える可能性があることを示した論文(Depressive Symptoms in Mothers With Infants: The Quantitative Evidence of the Association of COVID-19 Crisis-Related Factors in Japan:DISASTER MEDICINE AND PUBLIC HEALTH PREPAREDNESS/Epub/pp.1-10)、社会全体でどのように支えていくべきかを介入研究から分析した論文(妊産婦のこころとからだ~社会で支える必要性とその方法:介護予防・健康づくり/9(1)/pp.23-28)を発表した。 今年度は大規模統計と独自調査に加えて、介入研究を行い妊産婦の健康状態改善のためのプログラムの開発も行い検証をしたことで、具体的な提言をすることができたと考えており、意義あるものとなったと思っている。
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