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本年度は研究期間の最終年度にあたることから、これまでの研究実績を総括する論文の執筆に取り組んだ。論文のタイトルは「年金分割制度が離婚率と家計の経済活動に与える影響について」であり、関西外国語大学研究論集第121号に掲載された。 本論文では、内生的な離婚選択モデルを用いて、年金分割制度が離婚率、貯蓄率、ならびに離婚後の消費行動に与える影響を分析した。シミュレーション分析の結果、同制度は離婚率を上昇させ、貯蓄率を低下させる可能性があることが明らかになった。また、年金分割制度の導入により、離婚後の女性の消費量が増加し、男性の消費量が減少する傾向が確認された。これにより、制度が離婚後の男女間に存在する経済的格差を一定程度縮小し、特に女性に有利に働く一方で、男性にとっては離婚がより容易な選択肢となる可能性が示唆された。 研究期間全体を通じては、年金分割制度が家計に与える経済的影響、特に離婚行動や資産形成、消費行動との関連性について継続的に検討を行ってきた。本年度の論文執筆と掲載により、これらの研究成果を理論的に体系化し、学術的な発信として結実させることができた。 なお、本研究では取り扱わなかったが、厚生年金分割においては婚姻期間も重要な要素である。婚姻期間が長いほど分割される厚生年金の割合が増えるため、離婚のタイミングにも影響を及ぼす可能性がある。また、事前に決められた資産分割割合のもとで、両配偶者の同意がなければ離婚が成立しないケースを想定しているが、実際には、離婚を希望する側が、離婚を拒否する側に対して多めの資産分割を提示することで合意を得る可能性も考えられる。このような状況下では、厚生年金分割制度が異なる影響を及ぼす可能性がある。さらに、本研究では実証的な分析には至らなかったが、これらの点は今後の課題としたい。
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