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2019 年度 実施状況報告書

低費用航空会社の提携が及ぼす影響に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 19K13708
研究機関九州産業大学

研究代表者

朝日 亮太  九州産業大学, 商学部, 准教授 (10712359)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード低費用航空会社 / 提携 / 空港支配
研究実績の概要

航空産業の競争を活性化してきたとされる低費用航空会社(以下、LCC)が近年、他社との提携を見せるようになってきている。しかし、LCCの提携を実証的に分析した研究はこれまでほとんど行われていない。本研究は、この点を踏まえ実施され、当該年度は、提携を行うLCCと提携相手となるFSC及びLCCの提携前後の運賃設定行動の変化について、空港支配力の影響を考慮し分析を行った。具体的には、フルサービスキャリア(以下、FSC)であるアメリカンとLCCであるジェットブルーの提携を対象として、空港シェアが運賃に与える効果に対し、提携が与える変化について予備的な分析を行った。
分析の結果、FSC、LCCに関わらず、従来の結果と同様、多くの路線で空港シェアの上昇により運賃が上昇することが示された。そして、提携企業同士が運航する路線においては、FSC、LCCともに提携前後で空港シェアから生じる運賃上昇効果に大きな変化は見られなかった。一方で、提携企業がその提携相手とすみ分ける路線において、FSC、LCCともに空港シェアの大きい路線においては、一時的に競争的行動をとった可能性が示された。このことは、提携による乗り継ぎの利便性向上などが競争的行動を引き出す可能性を示唆している。また、発着枠の交換による影響は提携後数年では生じない可能性も示された。本分析の意義は、LCCの行動に対し提携の与える影響について分析を実施した点、一時的にでも競争的な行動をとる傾向があるといわれるLCCが提携後も競争的行動をとる可能性を示した点である。一方で、LCCの空港支配力の活用による運賃上昇の可能性も示されているため、継続的な分析が必要と考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

資料収集、データ購入に手間取り、研究整理、必要物品の購入およびデータセットの作成が全体的に遅れている。分析については仮計算にとどまっている状況である。また、新型コロナウイルスの感染拡大により移動が制限されているため、資料の追加収集にも遅れが生じている。

今後の研究の推進方策

今回の分析については様々な課題が残されている。第一に競争相手の行動については分析されていない点である。本年度に分析された結果は、競争相手の変化を受けたものである可能性を考慮する必要がある。この点については、研究計画に沿って取り組む。
第二に、出発空港の空港シェアを用いた分析であったことである。今後は、到着空港の空港シェアについても考慮しなければならない。また、提携合意後の調整期間を考慮し、継続的に分析を行う必要もある。これらの課題については、遅れているデータベースの作成ができ次第着手する予定である。なお、2020年度は新型コロナウイルス感染拡大のため、特に移動に関し、制約を受けることが予測される。そのため、本年度は、データ整理および分析を重点的に実施する方針である。

次年度使用額が生じた理由

研究着手に遅れが生じたため、研究環境整備にも遅れが生じ、物品に関する支出がなかった。また、新型コロナウイルスの感染拡大により、旅費の支出が大幅に減少した。そのため、次年度は新型コロナの影響があると考慮したうえで、分析を重点的に行うこととし、まず、本年度整備予定であった物品を購入する。そして、移動の制限がなくなれば、資料集めをより精力的に行うこととする。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 航空会社の提携と空港支配力の関係に関する予備的分析―アメリカン・ジェットブルーの例をもとにー2020

    • 著者名/発表者名
      朝日亮太
    • 雑誌名

      商経論叢

      巻: 60.3 ページ: 1-10

URL: 

公開日: 2021-01-27  

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