研究課題/領域番号 |
19K13708
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研究機関 | 九州産業大学 |
研究代表者 |
朝日 亮太 九州産業大学, 商学部, 准教授 (10712359)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 低費用航空会社 / 提携 / アメリカン / ジェットブルー |
研究実績の概要 |
当該年度では、2010年のアメリカン、ジェットブルーの提携に焦点を当て分析した。そして、アメリカンとジェットブルー、2社と競合するライバルFSC、ライバルLCCの4社の運賃設定行動の変化について考察した。アメリカンについては、提携期間前後の運賃設定行動に大きな変化は、ジェットブルーとの提携により運賃設定行動を変化させていないことを示唆した。また、2015年からアメリカンが運賃上昇行動に出たことから、USエアとの合併により空港等を通じて市場支配力を強めた可能性を示唆した。 ジェットブルーについては、提携前後について大きな運賃変化行動が見られなかった。ライバルFSCについては、2011年には運賃上昇行動をとり、2社の提携が終了した後も再度、運賃上昇行動を見せた。ライバルLCCの運賃設定行動について、提携開始後にほとんど変化させなかった一方、2011年頃になると、競争的な変化が見られた。そして、提携終了後の2014年以降も競争的運賃設定行動を強めている。 以上から、まず、LCCとの提携によりFSCは市場支配力を強化することができない可能性が示された。次に、提携に対し、ライバルFSCが競争的行動を弱める可能性を示された。その理由として、提携2社が行動を大きく変容させなかったことが考えられる。そして、ライバルLCCが、FSCとLCCの提携に対する他社の変化を観察したうえで、旅客の増加を狙った競争的行動をとる可能性が示された。 最後に、アメリカンとUSエアの合併が、2014年以降に多くの航空会社運賃設定行動を変化させた可能性も示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
当該年度については、データの作成と分析についてはある程度できたものの、新型コロナウイルスの影響で調査などの実施が困難であった。そして、データや分析手法の修正などについて大きな遅れが生じている。そのため、当初の計画の変更に迫られている。
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今後の研究の推進方策 |
今後については、コロナウイルスの感染状況を見極めながらの調査となり、より慎重な判断が求められると考えられる。こうした中、研究を進めるためには、近年の資料・文献をもとにしながら、データおよび分析手法の修正を進めていく必要がある。また、分析を行う中では、コロナウイルスの影響を考慮する必要も考えられ、より丁寧に分析を進めなければならない。オンラインでの報告機会なども模索しつつ、より精確な分析を行うよう勧めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの影響により、当初計画していた旅費を使用することができなかったため。次年度については、感染拡大状況を見ながら、旅費として使用する予定である。
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