本研究課題は、地方分権化を切り口にした日本における税の自動安定化装置(built-in stabilizer)についての実証分析である。2019年度・2020年度の課題期間の成果は次の2点に集約される。第一は、地方税の納税行動による経済波動の状況を明らかにして、経済安定化の可能性を指摘したことである。第二は、税を含むマクロモデルの中に地方税の明示する動学的な推計方法により、国税の影響を除いた地方税の自動安定化装置の規模を推定した結果、日本の地方税は経済安定化の機能を備えていることが明らかになった。
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