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2020 年度 実施状況報告書

19世紀後半以降における中国の在来金融機関の同業間貸借市場の動向分析

研究課題

研究課題/領域番号 19K13753
研究機関山形大学

研究代表者

諸田 博昭  山形大学, 人文社会科学部, 准教授 (70785089)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード貨幣史 / 金融史
研究実績の概要

鎮目雅人編著(2020)『信用貨幣の生成と展開』に、諸田博昭「第8章 20世紀前半期中国における地域的貨幣と信用」を寄稿した。この論文では、中国において、独占的な貨幣発行権を有する中央銀行による金融システムの統括という状況が生成される以前における信用貨幣の生成について詳しく検討し、当時の貨幣流通秩序において、地域的な民間金融機関や同業公会が重要な役割を果たしていたことを明らかにした。
この論文の執筆課程で、信用とは如何にして形成されるのか?そして、広く流通していた信用貨幣を生成することができた資産階級は、開港以降に如何なる課程で形成され、どのようにして貨幣創造に関わるようになったのか?といった新たな問題関心を持ち、自身の研究を、貨幣理論や資産階級の形成論などの、これまで研究史的にあまり接点を探られてこなかった領域と繋ぐきっかけを得た。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

諸田博昭「第8章 20世紀前半期中国における地域的貨幣と信用」を発表することができたことで、自身の研究を中国史の専門家のみならず、種々の地域の貨幣・金融史研究者や、歴史志向の強い金融論の専門家にもアピールすることができた。また、Hiroaki Morota, “Chinese Currency Circulation and Credit Order in the Interwar Period ”, in Chi Cheung CHOI, Keng We KOH, and Tomoko SHIROYAMA (eds.), The strenuous Decades: Global Crisis and the Transformation of Chinese Society in Asia 1930-1950,. Mouton de Gruyter. The place and the date of publication・・・TBD, (forthcoming).が研究成果の一つとして今年度中には、おそらく出版されると思われる。

今後の研究の推進方策

新型コロナの感染が治まらず、外国はおろか都会の史料館にもなかなか行けない苦しい状況であるが、刊行された資料集などを購読して読めるものは徹底的に読み、史料調査が始められる用になったときの効率化を図っていく。近代中国の資産家や財閥などの研究はかなり蓄積されているものの、貨幣創造との関連から検討されていることはほとんどないので、刊行された資料集を読み込むだけでも、新たな論文作成をある程度以上進めていくことは可能であると考えている。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナの流行にて、出張のほとんどがキャンセルせざるを得なかったため。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 図書 (1件)

  • [図書] 信用貨幣の生成と展開2020

    • 著者名/発表者名
      鎮目雅人、高木久史、加藤慶一郎、岩橋勝、安国良一、高槻泰郎、靏見誠良、諸田博昭、西村雄志、高屋定美
    • 総ページ数
      472
    • 出版者
      慶應義塾大学出版会
    • ISBN
      978-4-7664-2693-9

URL: 

公開日: 2021-12-27  

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