研究課題/領域番号 |
19K13754
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
小笠原 浩太 東京工業大学, 工学院, 准教授 (00733544)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 人的資本 / 工業化 / 公害 / 人口動態 |
研究実績の概要 |
本年度は、主に研究課題に係る統計解析を進めた。第一に、昨年度構築したジオ・コーディング済みのデータを用いてベースラインの推定を行い、概ね理論から示唆される予測と整合的な結果を得た。一方で、国土数値情報から得た一部のデータは、予想よりもノイズが多く、それを用いた識別の方法を部分的に改める必要が出てきた。第二に、この問題に関連して補足的な変数を追加で電子化する必要が生じたため、研究補助者を組織して作業を進めた。これには想定よりも長い時間がかかったが、新たに構築したデータを用いた、構造を仮定しない統計解析モデルについての推定結果は概ね予想通りであった。構造を仮定する推定方法については、層化した標本についてのみ妥当な結果を得た。第三に、これら結果をふまえて、時系列方向の変動を識別に利用するモデルについても予備的な分析を行った。概ね横断面方向の変動を利用するものと同様の結果を得たが、割り当ての特徴から、当該変動から得られる情報を識別の際に十分に活用できない問題があることに気がついた。これについては今後理論的に妥当な対策を講じる必要があるが、差し当たり当該モデルを層化したサンプルにのみ利用するなどの対処を行い、予備的な結果を得ることとした。第四に、査読付き国際学術誌から改訂要求を得ていた複数の論文について改訂を行い、合計3本が採択された。審査が行われていた査読付き国際会議についても、合計3本の論文が採択された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
年度内に査読付き国際学術誌に掲載された論文は2件であり、採択を含めると3件であった。査読付き国際会議報告は3件採択されたが、うち2件はCOVID-19のパンデミックに伴い公式にキャンセルとなったため、実際の報告件数は計1件となった。これら研究実績については、概ね想定通りか、若干計画を上回る数となっている。一方で、当初予定していた海外研究機関への研究滞在については、パンデミックに伴う海外渡航制限により、全てキャンセルとなってしまった。そのため、研究計画の最終段階にあたる、統計モデルの精密化や解析結果の妥当性の評価に関する議論が予定通りに進んでいない状況にある。
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今後の研究の推進方策 |
第一に、「現在までの進捗状況」に記述した理由を踏まえて、研究課題に取り組む期間を一年間延ばすこととする。この間に、海外渡航や国内関連施設への滞在が可能となる場合には、計画通り研究滞在と調査を実施する。計画通りにならない場合には、オンライン会議をベースとして、関連研究者と議論の時間を確保する。これを通じて、可能な限り分析の質を向上したい。第二に、最終的に得られた結果をまとめてワーキングペーパーを執筆し、査読のある国際会議等で報告を行う。また、既に査読付き国際学術誌から改訂要求を得ている論文については、引き続き改訂作業を行い採択までもっていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19のパンデミックにより、予定していた海外研究機関への滞在が複数回延期となった。これにより、旅費を中心として次年度使用額が発生した。これについては、海外渡航が可能となった場合に計画通り執行する予定である。渡航が不可能な場合には、処理能力の低下した計算機器の更新等に利用する。
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