研究課題
若手研究
本研究は近年アメリカと日本の企業において配当と自社株買いが増加していることの要因を明らかにすることを目的とした。研究をとおしてアメリカと日本における規制緩和が企業の選択と集中を促進させ、その過程で株価が重視される経済構造が生じたことを明らかにした。そして、経営者の権力が強化されているという分析結果から、近年の株主配分重視経営の要因として経営者主導の経営戦略の転換があったことを明らかにした。
経営学
本研究の学術的成果は、従来の研究で論じられた株主支配の復権論と異なり現代資本主義における経営者の権限拡大を理論的、実証的に明らかにした点にある。近年進みつつある企業経営におけるステークホルダー主義への転換が実効性をともなうものとするためには経営者権限のコントロールが必要であることを明らかにした点に社会的意義をもつ。