2019年8月から9月にかけてアメリカ合衆国メリーランド州において、NPO20団体にインタビュー調査を行った。インタビュー調査に応じていただいた団体は、教育、環境保護、ホームレス支援、障がい者支援、住宅支援、医療、保育、ボランティア支援、財団など様々な分野で活動しているNPOである。これらの団体は、一定程度のプログラム評価を行う組織力を持っており、十分なアカウンタビリティを果たしているとして、The Standards for Excellence Institute の認証を受けており、調査対象として適切な団体である。このインタビュー調査ではプログラム評価及び受益者の参加について、各NPOの経営者やプログラム責任者、評価責任者に質問を行った。
各団体の回答及び提供していただいた資料を分析し、2019年11月にアメリカ合衆国カリフォルニア州で行われた米国NPO学会(Association for Research on Nonprofit Organizations and Voluntary Action)で研究発表を行った。初期の分析結果では、個人レベルのアウトカム指標の設定の際、受益者の意見が非常に重視されていることが分かった。他方、グループレベルのアウトカム指標の設定の際には、受益者の意見は重要な参考となるものの、NPOの事業方針や資金提供者の方針も重要な影響力を持っていることも分かった。
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