研究課題/領域番号 |
19K13785
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研究機関 | 関東学院大学 |
研究代表者 |
松下 将章 関東学院大学, 経営学部, 講師 (40823399)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 援助要請 / チームの課題遂行 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、チームの課題遂行過程において、個人が他のメンバーに助けを求める行動(i.e., 援助要請)とチームの成果がどのように関係するのか、ということを実証的に明らかにすることである。本研究は、2019年度から2020年度の2カ年にかけて、大学組織のプロジェクト・ベースの講義を対象とした縦断的調査を実施する。これを通じて、a)援助要請の「頻度」および「スタイル」が、チームの活動初期から終期にかけてどのように変化するのか、b)それらが最終的なチームの成果とどのように関係するのか、という2点の課題について取り組む。本研究から得られる発見は、課題遂行にあたるチームの管理者にとって、部下から質問や相談を引き出すための有益な知見を提供する。 本研究の実施計画は以下の通りである。上記したプロジェクト・ベースの講義において、学生はチームごとに新規ビジネスの創出に関わる課題に取り組む。この取り組みにおける学生同士および学生と教員の会話を録音する。また、この講義においては、課題の成果報告会が実施され、そこにおいて各チームは報告内容について相互に評点をつける。これらのデータに対して量的・質的分析を行い、チームの課題遂行過程における援助要請と、最終的なチームの評価の関係について検討する。 今年度の活動実績は、主に調査実施に関するものである。具体的には、上記したプロジェクト・ベースの講義を対象に、一年目の調査を実施した。講義中の学生の会話および学生と教員の会話を録音し、記録されたデータを整理した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では、2019年度および2020年度の、プロジェクト・ベース講義を対象に調査を実施する。2019年度に関しては、すでに講義における学生同士および教員と学生との会話を記録している。データについては、すぐにUSBメモリに移行し、研究者の研究室にて保存している。このように、調査実施が計画通りに遂行されている点で、本研究課題は概ね順調に進展していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度においては、a)当該年度のプロジェクト・ベース講義の調査実施、b)援助要請とチームの課題遂行に関する理論研究を行なう。また、2021年度において、調査から得られたデータに対する量的・質的分析を行うことを予定している。このため、2020年度までに得られたデータを整理し、すみやかに分析に移行できるようにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究で得られたデータに対する分析ソフト(IBM SPSS Statistic BaseおよびMAXQDA)については、ただちに必要とするものではなかったため、2020年度に購入することとした。このため、2020年度における助成金の使用額が生じた。2020年度は、これらの物品購入に助成金を使用することを計画している。
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