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2020 年度 実施状況報告書

VR技術を用いた店舗内購買に関するパスデータの収集と店内販促の効果測定への応用

研究課題

研究課題/領域番号 19K13789
研究機関兵庫県立大学

研究代表者

石橋 健  兵庫県立大学, 社会情報科学部, 助教 (30749221)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワードバーチャルリアリティ / 顧客動線 / アイトラッキング / 店内販促 / 消費者行動モデル
研究実績の概要

バーチャルリアリティ(VR)技術を用いて顧客動線とアイトラッキングに関するパスデータを収集することを検討していたが、実験を行うことが困難であるため、実店舗で収集したデータを使った消費者行動モデルの構築に関する研究の基盤構築に取り組んだ。
2020年度では、新型コロナウイルス感染症への対応が必要であった。本研究では、VRヘッドセットを用いてデータ収集を行うため、被験者の安全確保が困難であることから実験を実施しなかった。
VR技術を用いて収集を検討しているデータは、実店舗で収集した顧客動線とアイトラッキングに関するパスデータと同等のものと考えられる。したがって、消費者行動モデルの構築を先行して検討するために、2020年度では実店舗で収集したデータを使用するための基盤構築に取り組んだ。実店舗で収集したデータを分析に使用するためには、多大な前処理が必要である。特に、アイトラッキングデータの前処理は膨大な労力を必要としている。2019年度から検討を始めたアイトラッキングデータの前処理の自動化へ深層学習を適用して、店舗内で買い物客が注目していた対象(注視対象)を識別する精度を高めることを目的とし、機械学習で使用するためのデータ処理を行った。2019年度の時点では数か所の売場のデータを使って注視対象を識別していたが、今年度のデータ処理により、店舗内の外周にあるほぼすべての売場のデータを対象とした分析が可能になった。このデータを用いて、既存の物体認識モデルの転移学習により注視対象を識別するモデルの構築の検討を始めている。さらに、処理を行ったデータは顧客動線とアイトラッキングに関するストリームデータとして消費者行動モデルの構築に使用可能である。つまり、顧客動線データとアイトラッキングデータを融合した消費者行動モデルを構築するためのデータ基盤も整えることができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

新型コロナウイルス感染症の状況が改善しないため、実験を行うことができなかった。また、授業などの業務における感染症対策の負担も増大したため、実験に関する研究を十分に進めることができなかった。実店舗で収集したデータを用いた基礎的研究に関しては、顧客動線とアイトラッキングデータを融合したモデルを検討するための基盤を整えることができた。

今後の研究の推進方策

1)融合モデルの検討:2020年度に作成した顧客動線とアイトラッキングのストリームデータを用いて、店舗内広告が購買行為に与える効果を検証するモデルを構築する。また、深層学習を用いたアイトラッキングデータの前処理の自動化についても引き続き検討する。
2)簡易VRコンテンツを用いたデータ収集の検討:VRヘッドセットを使った検討は2021年度も実施できない可能性がある。そこで、設置型アイトラッキング装置とPCモニターを、VRコンテンツをPCモニターで視聴することで、店舗内の消費者行動に関するデータを簡易的に収集することを試みる。設置型アイトラッキング装置は、被験者が装置を身につける必要がないことから、VRヘッドセットと比較してコロナ禍でも使用しやすいと考えられる。この収集実験に適したVRコンテンツを検討し、年度内に試験実験を行う。

次年度使用額が生じた理由

2019年度、および2020年度に調査実験を行えなかったため、次年度に使用することとなった。本来予定していた調査実験でこの研究費を使用することは難しいと予想される。代わりに、今年度より新たに検討するアイトラッキング装置の購入と、それを用いた試験実験のために使用する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] How Shoppers Walk and Shop in a Supermarket2020

    • 著者名/発表者名
      Yada Katsutoshi、Ishibashi Ken、Ohashi Taku、Wang Danhua、Tsumoto Shusaku
    • 雑誌名

      Proceedings of 2020 International Conference on Data Mining Workshops (ICDMW)

      巻: 2020 ページ: 114-118

    • DOI

      10.1109/ICDMW51313.2020.00025

    • 査読あり
  • [雑誌論文] IMPACTS OF ONLINE REVIEWS ON CONSUMERS' DECISION-MAKING: APPLICATION OF TOPIC MODELING IN RESTAURANT SERVICES2020

    • 著者名/発表者名
      Li Fangzhou、Kobe University、Li Zhen、Yang Shuai、Ishibashi Ken
    • 雑誌名

      Global Fashion Management Conference

      巻: 2020 ページ: 1350-1350

    • DOI

      10.15444/gmc2020.10.03.01

    • 査読あり
  • [学会発表] Application of Deep Learning to Eye Tracking Video for Estimating Sales Area Where Consumer Looked2020

    • 著者名/発表者名
      Ken Ishibashi, Zhen Li and Katsutoshi Yada
    • 学会等名
      2020年度人工知能学会全国大会(第34回)

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公開日: 2021-12-27  

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