組織におけるRHは、組織的同一化の促進、組織変革、経営戦略の正当化、顧客からのレピュテーション獲得、従業員の採用活動といった場面でしばしば実践される。だが、既存研究のほとんどは、経営者がRHを実践することで彼らの意図通りにステークホルダーの行動を促すことに成功している事例を取り上げてきた。とはいえ、RHは常に使い手の意図通りに機能するとは限らない。また、実務家もRHが失敗する可能性について考慮することはほとんどない。本研究は、RHが失敗する場合のメカニズムを明らかにし、理論的に貢献するとともに、組織の実務家はどのような状況で、どのように歴史を活用するべきかという実践的含意を導出した。
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