本研究は、グローバルな知識移転の観点から、R&D人材の国際移動がナレッジスピルオーバーに与える影響及び外部人材を活用した知識獲得に資する人材マネジメントの在り方を明らかにすることを目的とするものである。具体的には、日本、米国、英国、中国の4か国におけるR&D人材のグローバルな移動状況(流出入)について、特許データ及び論文データを用いて把握し、移動した外部人材のマネジメントについて、実証分析を行った。 分析の結果、他国の研究機関に属する研究者と協働する際には、同じ研究グループに類似する特徴を有する人材を配置することがイノベーションを促進することが明らかになった。すなわち、外部人材を採用して研究開発を行う際に、多様性はナレッジスピルオーバーにおいて阻害要因となりうることが示された。 これらの研究結果は、最終年度においては、ギリシャで開催されたイノベーションに関する国際学会で発表するとともに、国際ジャーナルにも掲載され、一定の学術的貢献が達成されたものと考える。
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