研究課題/領域番号 |
19K13794
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
渡部 あさみ 岩手大学, 人文社会科学部, 准教授 (10723033)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 労働時間管理 / 労働組合 / 人事労務管理 / 労使関係 / ワーク・ライフ・バランス / オーストラリア / ニュージーランド |
研究実績の概要 |
本研究は、日本、オーストラリア、ニュージーランドの三か国を対象とし、労働時間管理の適正化へ向けた人事労務管理の柔軟化とはいかなるものかをという問題意識のもと、三か国の労働現場の実態を明らかにすることである。 上記の研究関心のもと、今年度は、国内における事例研究、および、三か国を対象としたアンケート調査を実施した。まず、国内における事例研究では、労使で「働きやすい職場」づくりへ向けた取り組みを行っているサントリーグループへの聞き取り調査を行った。この事例をもとに、社会政策学会第138回(2019年度春季)大会、および、社会政策学会東北部会において研究報告をおこなった。ここでの議論をもとに、研究論文「『働きやすい職場』づくりへ向けた取り組み過程における労働組合の役割:サントリーグループにおける取り組み事例からの一考察」(『社会政策』 11(2))、および、Gabriel Eweje, Shima Nagano, and Jiang Feihong編著『Corporate Social Responsibility (CSR) and Gender Equality in Japan: Historical and Current Perspectives 』に掲載予定である“The changing Human Resource Management and the Progress towards Better Work Environments in Japan”をまとめた。さらに、日本、オーストラリア、ニュージーランドの三か国で働くホワイトカラー労働者を対象としたアンケート調査を実施し、日本893件、オーストラリア379件、ニュージーランド358件の有効回答が得られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初より予定されていた事例調査の実施、および、その事例研究に関する研究報告と論文執筆を行った。また、若手研究における独立基盤形成支援(試行)を受け、当該研究課題期間内に1回実施する予定だった日本、オーストラリア、ニュージーランド三か国を対象としたアンケート調査の実施に関し、実施回数を2回に変更した。この計画の変更に伴い、当初予定されていた三か国を対象としたアンケート調査を1年前倒しし、当該年度に実施することとなった。ここで得られた研究成果の報告については、研究報告、および、学内紀要および学会誌への論文投稿が予定されている。
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今後の研究の推進方策 |
研究代表者の産休・育休に伴い、本研究課題は2020年2月から20201年3月まで、中断する予定となっている。 2021年度に本研究課題が再開され次第、2019年度に収集したアンケート調査の分析および研究発信を行う。また、2022年に予定されている第二回目の三か国比較調査へ向けた準備として、三か国の労働事情に関する先行研究および調査研究の収集に取り掛かる予定である。同時に、事例研究の深化とさらなる事例の収集を行う。事例分析とアンケート調査をもとに、本研究課題の問題意識をさらに深め、研究報告、および研究論文を通じて成果発信をする予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該年度に、若手研究における独立基盤形成支援(試行)が採択され、当初の予定よりも予算額が大幅に増額したため、次年度使用額が生じた。 ここで生じた次年度使用額は、資料収集や、海外への研究成果発信を目的とした英語翻訳の際に生じるネイティブチェック料や翻訳料のために使用する。
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