• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2022 年度 実施状況報告書

労働時間の適正化へ向けた人事労務管理の柔軟化に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 19K13794
研究機関岩手大学

研究代表者

渡部 あさみ  岩手大学, 人文社会科学部, 准教授 (10723033)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2024-03-31
キーワード労働時間 / 人的資源管理 / 労働組合 / オーストラリア / ニュージーランド
研究実績の概要

2022年度は、2020年1月に収集した日本・オーストラリア・ニュージーランドでフルタイムで働くホワイトカラー労働者を対象とした第一回アンケート調査のデータ分析を行った。ここから明らかになったことは、①労働時間制度 ・残業の頻度・残業時間に関し、オーストラリアとニュージーランドでは、日本と同様に、「通常の労働時間制度」が多数を占めている一方で、「コアタイムがあるフレックスタイム制」の適用者が日本より高い割合で存在していること、②残業の頻度に関し、日常的な残業をしている傾向は日本において強く見られること、③職場の労働力充足率を実感している労働者は、日本では4割を切っているが、オーストラリア・ニュージーランドでは7割前後であり、日本よりも労働力が充足していると感じている労働者が多い。また、仕事量に関し、所定労働時間内に終わる仕事量であると認識している労働者は、日本では3割を切っていたが、オーストラリア・ニュージーランドでは6割を超えており、日本の職場における仕事管理の適正化という課題を再認識する結果が得られたこと、④ワーク・ライフ・バランスに満足しているという回答は、日本では35%ほどであったが、オーストラリアでは75%、ニュージーランドでは60%であり、三ヶ国のうち、日本のワーク・ライフ・バランス満足度が低いことの四点である。以上の第一回アンケート調査結果を受け、今後、さらに分析を深めていくために、労使関係の視野を加えた分析の必要性を見出した。
また、次年度に実施予定である第二回目調査へ向けた課題の整理を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

産休直前に入手したアンケート調査結果のデータ分析への着手が遅れたためである。2022年度は、第二回目のアンケート調査を実施する予定だったが、まずは、第一回目のデータの分析を行い、次の調査に向けた準備期間に変更した。

今後の研究の推進方策

第一回のアンケート調査から見えてきた分析課題に沿って、文献・データ収集を継続する。また、2023年度に第二回のアンケート調査が実施できるよう、調査項目の設計に取り組む。

次年度使用額が生じた理由

2022年度に実施予定だった日本・オーストラリア・ニュージーランドのアンケート調査がまだ実施できていないため、次年度使用額が生じた。アンケート調査は、2023年度に実施予定であり、予算は当初の予定通り執行される予定である。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2023 2022 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うちオープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) 備考 (2件)

  • [雑誌論文] 労働時間管理2023

    • 著者名/発表者名
      渡部あさみ
    • 雑誌名

      永田 瞬・戸室 健作編著『働く人のための人事労務管理』(八千代出版)

      巻: 第5章 ページ: 103-122

  • [雑誌論文] 労働時間とワーク・ライフ・バランスに関する一考察 ―日本・オーストラリア・ニュージーランドのフルタイムで働く ホワイトカラー労働者を対象としたアンケート調査分析の単純集計をもとに―2022

    • 著者名/発表者名
      渡部あさみ
    • 雑誌名

      アルテスリベラレス

      巻: 111 ページ: 239 - 256

    • オープンアクセス
  • [学会発表] 国際学会と私の研究生活 院生時代~これまでの教員生活を振り返って~2023

    • 著者名/発表者名
      渡部あさみ
    • 学会等名
      社会政策学会若手研究者育成フォーラム第10回定例研究会
  • [学会発表] 正規ホワイトカラー労働者の労働時間と人事労務管理2023

    • 著者名/発表者名
      渡部あさみ
    • 学会等名
      日本科学者会議 岩手支部
  • [学会発表] 仕事マネジメントがワーク・ライフ・バランス 及びストレスに与える影響 ~日本・オーストラリア・ニュージーランドの 3 か国比較~2022

    • 著者名/発表者名
      田中秀樹・渡部あさみ
    • 学会等名
      日本労務学会東北部会
  • [学会発表] (コメンテーター)シンポジウム「人口減少時代における地方の若者と経済的自立 」2022

    • 著者名/発表者名
      渡部あさみ
    • 学会等名
      労働社会学会第34回大会
  • [備考] 地域企業×岩手大学×奥州連携フォーラム2022 講演

    • URL

      https://www.iwate-u.ac.jp/info/event/2022/10/005466.html

  • [備考] 盛岡工業クラブ第127回会員懇談会 講演

    • URL

      http://www.m-kogyo.com/news/detail.php?id=520

URL: 

公開日: 2023-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi