R3年度は,①過年度調査で用いたアンケート調査票の見直しと改善を図ること,②①の調査票を用いてアンケート調査を実施すること,③調査から得られた量的・質的データを分析・考察すること,④③の結果を論文や報告書等にまとめることを課題とした。 課題①②については,過年度調査を踏まえ設問の表現を改善すると共に,不連続的変革の後半プロセスに関わる設問を新たに加え,アンケート調査を実施した。具体的には,調査対象者の所属企業全体に関わる設問(企業の規模,組織構造,不連続変革への取り組み,トップの特性等),調査対象者の所属部門に関わる設問(部門の規模,ミドルの特性,自発的な取り組み,環境変化と商機の共有,ビジョンの具体化,非公式に交流する風土,挑戦に対する評価,成果に対する承認,変革加速の維持等),調査対象者個人に関わる設問(職位,変革に対する意識,成功体験の捉え方,予応的行動への意識,環境変化への適応姿勢,危機の捉え方,外部情報獲得に対する意識,組織の方向性に対する理解・共感,仕事の進め方,組織へのアイディア提案,挑戦意欲等)の3項目から成る選択回答方式の設問と,調査対象者の所属企業における業務運営の方法やマネジメントのあり方で直近3年間に大きく変化した事柄についてを具体的に問う記述回答方式の設問の計40問程度で調査票を構成した。アンケートの回答は,既存データと関連させる目的で国内の製造業で研究・開発,生産,販売の各業務に従事する正社員に依頼し,管理職412名,一般従業員408名の計820名から有効回答を得た。課題③④については,R3年度調査の結果(選択式回答)を「「変化に対する従業員の意識と行動」に関する調査(2)」として『千葉大学経済研究』第37巻第1・2号にまとめた。また詳細な分析と考察については,論文や本科研費課題の研究成果報告書等で示していくつもりである。
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