研究課題/領域番号 |
19K13798
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分07080:経営学関連
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研究機関 | 明治大学 (2022-2023) 一橋大学 (2021) 早稲田大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
谷口 諒 明治大学, 経営学部, 専任講師 (90801283)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | カテゴリ / メンバーの専門性 / スペシャリスト / コンテスト |
研究成果の概要 |
本研究の目的は、専門性で見た、メンバーの多様性が当該カテゴリの持続性に与える影響を明らかにすることであった。レビューから明らかになった既存研究の問題に対処するため、本研究では、日本のweb小説のデータセットを構築し、コンテストの審査通過を被説明変数とする分析を行った。その結果、(1)単一の専門性を持つ作者、すなわちスペシャリストの作品の方がスクリーニング・プロセスを通過する確率が高いこと、(2)そのスペシャリスト効果はカテゴリによっては逆に転じること、である。創造的成果の発現がカテゴリの持続性を左右するとすれば、この結果は、多様性の効果はカテゴリの特性に依存することを示唆している。
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自由記述の分野 |
組織論
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、日本のweb小説コンテストのデータを使い、生産者の専門性とカテゴリの持続に影響する創造的成果の関係を検証した。その分析からは、単一の専門性を持つ生産者が創造的成果の産出をするが、その効果はジャンル(カテゴリ)に依存する、という傾向が観察された。既存の経営学研究は、カテゴリの誕生に注視するあまり、誕生後の成長あるいは持続にはあまり関心を払ってこなかった。その点で、本稿の分析には学術的な意義がある。また、どのようなカテゴリが持続的に成長していくのかという問題は、企業の持続的な競争優位を考える上で重要である。その課題に取り組んでいる本研究には、一定の社会的意義もあるであろう。
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