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2019 年度 実施状況報告書

組織間関係におけるフレームワークの共有プロセスに関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 19K13803
研究機関釧路公立大学

研究代表者

松野 奈都子  釧路公立大学, 経済学部, 准教授 (40732475)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワードフレームの変化 / フレーミング / visuality / NPO
研究実績の概要

2019年度は、1. 追加的な既存研究のレビュー、2. 事例研究を行った。
1. 追加的な既存研究のレビュー
申請者はこれまでの研究で、組織間関係において共通認識を形成するために、他組織に対するフレーミングが有効であるという結論に至っており、組織間におけるフレーミングの概念モデルを構築してきた。2019年度は、2018年度に実施した調査から明らかになった写真や動画のような視覚に訴えかけるものの影響に着目した。
これまでのフレーミング研究では、コミュニケーションの中心的な要素である言語が、集合的な認知や共有された理解を生産するものとして重要視されてきた。しかし、調査ではウェブサイトに掲載された写真や動画が、フレーミングを促進したという現象がみられた。そのため、本年度はフレーミングにおけるvisualityの影響を明らかにするために、コミュニケーションにおいてvisualityがもたらす影響に関する先行研究をレビューした。これにより、フレーミングの促進要因として、visualityを追加した概念枠組みを構築した。
2. 事例研究
2018年度に収集したデータに加えて、2019年度に新たな調査先から定性的なデータを収集した。具体的には、根室市で活動しているNPOに対する聞き取り調査を行い、本年度構築した概念枠組みを使用し、事例研究を行った。これにより、visualityがフレームの信頼性と顕著さを向上させ、フレーミングを促進することを明らかにした。これにより、従来の言語を中心としたフレーミングのモデルを修正した点が、本研究の学術的な貢献である。なお、本研究の成果は、「初期段階のNPOにおけるフレーミングの検討」というタイトルで、日本経営学会全国大会(於:関西大学)にて報告を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2019年度の研究では、写真や動画といったvisualityがどのようにフレーミングに影響を与えるのかを明らかにするための概念枠組みを構築し、事例研究を行うことができた。その結果、visualityの特徴がフレーミングのどの要素に影響を及ぼすのかを明らかにすることができたため、本研究課題はおおむね順調に進展していると判断した。

今後の研究の推進方策

2020年度は、組織間におけるフレーミングプロセス解明のために、1. 追加的なレビュー、2. 事例調査を行う予定である。
1. 追加的なレビュー:これまでの申請者の研究では、言語とvisualityがフレーミングを促進することを明らかにしてきた。つまり、フレーミングの媒体となるものの影響を明らかにしてきたのである。しかしそれらの媒体の重要性を際立たせるためには、まずフレーミングを行う主体の信頼性が担保されることが必要となると考えられる。そこで、今後はフレーミングの主体が埋め込まれている環境やネットワークに焦点を当て、フレーミングの主体に焦点を当てた既存研究の整理を行う予定である。
2. 事例調査:追加的なレビューと並行して、事例の調査を実施する。2020年度は、特に、フレームの提示者と受け手のコンテクストに焦点を当てて、データを収集する。なお、コロナウイルス の影響で出張が困難な場合には、Web会議ツールを用いた聞き取り調査を実施するか、2021年度に実施することで対応する。

次年度使用額が生じた理由

予定してた出張がコロナウイルス の影響で中止になったため、次年度使用額が発生した。2020年度に出張が可能になれば、聞き取り調査のための出張費用、データのテープ起こし費、謝礼として使用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2019

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 初期段階のNPOにおけるフレーミングの検討2019

    • 著者名/発表者名
      松野奈都子
    • 学会等名
      日本経営学会全国大会

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公開日: 2021-01-27  

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