通常、企業規模が拡大することに伴い、所有と経営が分離する(バーリ=ミーンズ, 1932)。多角化、国際化、株式公開など規模が拡大すると、創業家一族の影響力は持株比率の減少に伴い低下することが想定される。他方、本研究は、上場してもなお創業家一族から経営者を輩出している企業の存在(C区分ファミリービジネス)の存在を明らかにし、その特徴を考察したことが成果としてあげられる。本研究によって、創業家一族が経営に関与する正統性、創業家一族がもつ理念や無形資産の存在が経営に影響を持つ可能性について考察をすることができた。
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