研究期間を一年度延長し、最終年度となる本年度では、最終アンケート調査をウェブ調査で実施し、その成果を至急論文として取りまとめた。研究期間全体を通じて、合計2回のウェブ調査を実施し、最終年度のウェブ調査はその2回目に該当する。ウェブ調査の質問項目は計2回のウェブ調査で共通させることで、2回の調査を比較することが可能となった。初年度で実施した調査では、対象サンプルとなる個人を、ソーシャルビジネス(SB)実施者・支援者、さらにはそれらの潜在的SB実施者・支援者(潜在者)に類型化し、SDGsの16の目標に関連する変数や、ユヌス・ソーシャル・ビジネスへの理解度に関する変数などを入れてSB支援者(もしくは潜在者)を規定する要因(変数)を明らかにした。また、それらの日本における地域的特性も考慮に入れた。研究成果については,論文を執筆し、国際ジャーナルに投稿し、掲載された。加えて、2,3年目は潜在的SB実施者や支援者に対する詳細なヒアリング・インタビュー調査をオンラインで実施した。また、それらの知見をもとに、いかにSB支援者と実施者を有機的に結びつけるか、そのためにはどのような仕組みづくりや評価の在り方が必要か(ソーシャル・ビジネス・エコシステムの構築およびインパクト評価の評価指標)について、理論的・実践的検討を行い、それについても論文化した。研究期間を一年度延長した最終年度は、上記のヒアリング・インタビュー調査も踏まえて。ウェブ調査を再設計し直し、1回目の調査で明らかになった、大多数の「ソーシャルビジネス無関心層」に働きかけるための施策に関する考察を行い、その有効性を検証した。それらの研究についても、研究成果を国際ジャーナルに投稿した。
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