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2021 年度 実施状況報告書

バーチャル世界でのリーダーによるメンバー行動の組織化プロセスの解明

研究課題

研究課題/領域番号 19K13813
研究機関茨城大学

研究代表者

大沼 沙樹  茨城大学, 人文社会科学部, 講師 (50800918)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワードエンタープライズ・ソーシャル・メディア / 認知的負荷 / 集団規範
研究実績の概要

2021年度は、前年度から取り組んでいるアフォーダンスに注目し、既存研究に基づき、ICTの使用で生じる集団規範を整理し直し、どのようにICTの使用による認知的負荷を減じられるかに関して検証した。まず、情報整理に関する規範である。ICT上では、組織メンバー間でテキストやファイルの頻繁なやり取りが生じるために、それらを見やすく、把握しやすい状態に整理する規範があることで、不要な注意資源の消費を防げるために重要である(e.g., Hwang et al., 2015)。次に、時間志向に関する規範である。様々な通知による注意の引きつけは迅速な情報の伝達につながるが、ICT上では反応の時間差が生じるために、この時間差によって必要な情報量の不足や情報間の理解不足が生じ、認知的負荷を高める(e.g., Cramton, 2001)。それゆえ、時間志向を摺り合わせたタイムリーな反応に関する規範が重要である。最後に、的確な伝達に関する規範である。様々なメンバー間での情報のやり取りが活発化する一方、ICT上では意図の伝達の難しさや、やり取りする内容理解の複雑さによって認知的負荷が増加するために、互いの円滑な理解を促す、的確な伝達が求められる(e.g., Tenzer & Pudelko, 2016)。こうした議論に基づき、企業から得た1126人のデータを検証した結果、的確な伝達に関する規範は、ICTの使用で生じる認知的負荷を低下させることがわかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2021年度は、論文に関しては学会投稿よりも自身の博士論文での成果のまとめを優先したことから、前年度から取り組んでいるアフォーダンスの視点から見た集団規範の検証を完了することができた。また、執筆論文の精緻化とともに、異なる業種で実施したサーベイ調査によるデータの加工や分析に着手することができた。なお、今年度は集団規範に関連するチーム認知についての学会報告も行えた。

今後の研究の推進方策

研究開始当初に収集したデータとは異なる業種のデータを収集できたために、これまでの研究結果との整合性、もしくは業種による違いがあるのか等を中心として再度分析を行い、学会報告や論文化に結び付けていく。

次年度使用額が生じた理由

追加的なデータ収集が実現したために、当該事業の継続の必要性が生じた。また、昨年度から引き続き新型コロナウイルス感染症の収束の見込みが立たないために、学会のオンライン開催が続き、予定していた学会参加にかかる旅費等が発生しなかったために未使用額が発生した。次年度は、研究計画の最終年度となるために、入手が難しい海外書籍やデータ分析に必要なICT機器を購入するなど、年度当初から計画的に使用する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] チーム認知とチームの創造性―トランザクティブ・メモリー・システムと共有メンタルモデルの整理―2021

    • 著者名/発表者名
      大沼沙樹・秋保亮太・村瀬俊朗
    • 学会等名
      2022年度組織学会年次大会

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公開日: 2022-12-28  

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