生産システムおいて,スケジュール通りに生産を実施することは難しい.その原因はスケジュール作成途中では,考慮していなかった事象の発生である.これらの事象を不確定な事象と呼ばれる.この不確定な事象に対応するためにには,リスケジューリングすることが有効である.このようなスケジューリング方法をリアクティブスケジューリングと呼ぶ.このような背景のためリアクティブスケジューリングの研究は実用的な研究が非常に多い. それらの点を考慮して,本研究の目的は,生産システムにおける不確定な事象に対する汎用的なモデルの提案である.特にリスケジューリングを行うタイミングを含めて定式化することが本研究の特徴である.さらにそれらのモデルから新しい解法に繋げることである.結果的には,タイミングを含めた形での形式化モデルを構築することでき,かつスナップショットにおける解法を構築することもできた. 最終年度では,リアクティブスケジューリングの形式化をまとめる作業を中心に行った.これまでもある程度は形式化することはできていたが,最終年度において数理モデルとして完成度を高めた.今後の課題としては,このモデルを利用した機械学習モデルがあげられる. また,コロナ禍もあり,2020年度から2023年度まで体調を崩すことが多かった.そのために十分に研究に対して時間をとることも困難であった.これらの理由より研究成果の発表は,当初予定していたものに対して遅延した.スケジュールの関係もあるが発表成果は,最終年度の次の年になった.
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