研究課題/領域番号 |
19K13816
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研究機関 | 摂南大学 |
研究代表者 |
畠山 俊宏 摂南大学, 経営学部, 准教授 (90626764)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | タイ / マレーシア / 海外子会社の進化 / 取引先の多角化 / 自動車部品サプライヤー |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、海外における自動車部品サプライヤーの取引先の多角化プロセスを明らかにすることである。本年度は、先行研究の検討とアンケート調査を行う予定であった。しかし、アンケート調査に用いる予定の資料の入手が困難となり、インタビュー調査を前倒しで行うこととした。本年度は主に下記の3点を実施した。 第1に、海外子会社進化論に関する先行研究のレビューを行い、先行研究の成果と課題について整理した。先行研究においては、生産、研究開発などの単一の職能を対象とした研究が多いことを示した。一方で、生産と開発、生産と販売といった複数の職能が関連する研究はほとんど見られないことを明らかにした。その結果を学会発表と紀要論文として公表している。 第2に、タイにおける完成車メーカーを事例に複数の職能が関連した海外子会社の進化プロセスについて考察した。分析の結果、複数の職能が関連した海外子会社の進化は、親会社からの経営資源の移転、親会社の役割付与、現地環境、ある職能の進化が別の職能の進化を促すという職能同士の相互作用が重要であることが明らかになった。この結果を学会発表で公表した。また、学会発表の内容を基にした論文を投稿中である。 第3に、日本、タイ、マレーシアにおいて完成車メーカーと自動車部品サプライヤーに対するインタビュー調査を行った。サプライヤーに対しては新たな取引の開始に至ったプロセスについて確認した。完成車メーカーに対しては新たな調達先を開拓する意向について確認した。これらの成果を整理して、学会発表と論文として公表する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
日本、タイ、マレーシアにおいて多くのインタビュー調査を行うことができた。海外において新たな取引が始まる経緯に関する多くの情報を収集することができている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、先行研究を踏まえて海外における自動車部品サプライヤーの取引先の多角化プロセスの分析フレームワークを検討する。また、分析フレーム―ワークとインタビュー調査の内容を踏まえて事例研究を行う。その成果を学会発表と論文にする予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定していたアンケート調査用の資料の入手が困難となったため、インタビュー調査を前倒しで行った。しかし、資料の購入費よりも調査旅費の金額の方が少なかったため残額が生じた。 次年度は国内外のインタビュー調査および文献調査を進める予定である。
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