研究実績の概要 |
本研究の目的は「ソーシャル・アントレプレナーは社会的目的と経済的目的を達成する上で、どのような戦略を立てているのか、その戦略の立案プロセスに何が影響を与えるのか」を明らかにすることである。この目的を達成するために、初年度はAshoka財団に登録されているソーシャル・アントレプレナーのデータを分析し、その戦略立案のプロセスを検証している。 初年度は3075名のソーシャル・アントレプレナーのデータを取得した。そして、テキストマイニングを用いてソーシャル・アントレプレナーの性別を特定した。さらに、ソーシャル・アントレプレナーのデータは国別のデータになっていたため、各国の文化スコアをHofstede 及びGLOBEプロジェクトから参照し、データとして加えた。また、ソーシャル・アントレプレナーの戦略に関するテキストをテキストマイニングによって分析した結果、ソーシャル・アントレプレナーの戦略が7つに分類できることを明らかにした。7つの戦略とは、Empowerment, Community Development, Business & Entrepreneurship, International, Inclusivity, Innovation, Low Cost である。また、上記の戦略に関して男女差があるかを分析した結果、女性の方がEmpowermentやInclusivityに関する戦略を立案する傾向がみられた。一方、この分析では十分な統制変数を考慮できていないため、今後より詳細な分析を行う予定である。 以上の主たる結果は17th Asia Pacific Conference において"Inclusivity in Social Entrepreneurship Strategy"というタイトルで発表を行った。
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