研究課題/領域番号 |
19K13821
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研究機関 | 小樽商科大学 |
研究代表者 |
鈴木 和宏 小樽商科大学, 商学部, 准教授 (10708366)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 顧客経験 / ブランド経験 / サービス経験 |
研究実績の概要 |
本年度の目標は「ブランドの統合的消費体験によるブランド経験および顧客経験への影響の検証」であったが、新型コロナウイルスの流行により、研究計画で予定していた学生サンプルによる対面での実験室実験を行うことが困難であった。そこで、本年度は顧客経験の概念整理を中心的に行った。当初は予定していなかった内容ではあるが、顧客経験やブランド経験をより精緻に測定したり検討したりする際の手助けとなると考えた。 顧客経験の概念整理についてはいくつかの先行研究が存在するが課題がある。①概念の多様性を生み出す要素が明示されていない点、②ほとんどの先行研究では2019年以降の研究論文を加味していない点、である。そこで筆者は、顧客経験の概念整理を行ったレビュー論文15本で行われた顧客経験の概念定義と、2019年~2020年に公表された査読付き英語論文80本で採用されている定義を抽出し、採用されている定義とその多様性を構成する要素を整理した。顧客経験について日本語で書かれたレビュー論文は極めて少ないため、国内における顧客経験概念の理解や議論を促進させるという点において、一定の貢献があると考える。尚、この研究成果は論文として提出済みで、本学紀要『商学討究』で2021年7月ごろに公表される予定である。 また、同時に2018年~2020年に公表された査読付き英語論文で使用された顧客経験の測定尺度についても収集した。これについては2021年度中に整理を行い、その結果を公表する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究計画では本年度は「2ブランドの統合的消費体験によるブランド経験および顧客経験への影響の検証」を行う予定であった。しかし、新型コロナウイルスの流行により、予定していた学生サンプルによる対面での実験室実験が行えなかったため、調査の進捗が遅れている。よって「遅れている」という評価となる。
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今後の研究の推進方策 |
本研究で予定している残りの調査は①統合的消費体験によるブランド経験および顧客経験への影響に関する調査、②顧客経験とブランド経験への影響に関する調査である。これらの調査は対面で行うことが必要なプロセスを含んでいる。しかし、②についてはwebのみで行うことがある程度可能であると思われるため、これを先に実施する。一方で、①は対面での実施が望ましいため、新型コロナウイルスの終息状況を見ながら実施する時期を検討する。また、当初は本年度(2021年度)が研究の最終年度となっていたが、1年間の研究期間の延長を申請する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス流行の影響により、実施予定であった活動ができなかったため、次年度使用額が生じている。より具体的には、対面プロセスを含む調査の調査費、および学会参加に伴う旅費・交通費の未使用が次年度使用額を生じさせた大きな理由である。 次年度使用額は当初実施予定であった調査に使用する予定である。具体的な調査目的については【今後の研究の推進方策】にて記載した通りである。
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