研究課題/領域番号 |
19K13823
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
高橋 史早 長崎大学, 経済学部, 助教 (60839695)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 顧客価値 / 口コミ |
研究実績の概要 |
本研究課題「小売サービスにおける顧客価値に関する実証研究」は、顧客価値 (customer value)における商品特性の影響および口コミとの関係を明らかにすることを目的としている。顧客価値は、顧客が製品やサービスに対して抱く有用性の評価であり 、企業が顧客満足や再利用意向を高める上で重要である。顧客価値次元については、申請者(高橋, 2018)が開発した「品質的価値」「価格的価値」「効率的価値」「審美的価値」「娯楽的価値」「認識(学習)的価値」の6次元を検討する。また、本研究のモデルでは、上記の顧客価値次元に加えて、「口コミ受信 」「口コミ発信」「再利用意向」「顧客満足」「商品特性 (最寄品/買回品)」を検討する。 今年度の研究成果は大きく2点ある。第一に、12月にニュージーランドで開催されたマーケティングの国際学会「ANZMAC 2019」において、顧客価値次元に関する研究成果「Development of a multi-dimensional customer value scale」を報告した。他の研究者から得られたコメントを踏まえ、モデルを再検討した。 第二に、質問紙調査を実施するため、文献調査を進めた。本研究では、顧客価値次元はどのように口コミと関係しているのか、また客価値次元と口コミ・再利用意向の関係は商品特性によってどのように調整(モデレート)されるのかを明らかにするため、最寄品/買回品を販売する小売店を利用した消費者を対象とした質問紙調査を予定している。上述した変数の関係や尺度等に加え、他の重要な変数の可能性についても検討し、質問紙作成の基礎調査を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の計画では当該年度に質問紙調査を実施する計画であったが、文献調査等の調査準備に時間を要したため、調査の実施は令和2年度になる見込みである。
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今後の研究の推進方策 |
令和2年度は質問紙調査を実施し、その結果を国際学術誌に投稿する予定である。新型コロナ感染症の影響で国際学会での報告等は困難であろうが、zoom等を活用し、他の研究者からの助言を求めながら進めていきたい。 また令和3年度年度以降、国内学会及び国際学会での報告や、インタビュー調査などを実施し、最終的なモデル構築を目指す計画である。
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次年度使用額が生じた理由 |
質問紙調査を実施しなかったため、当該助成金が生じた。この助成金は、令和2年度に実施する質問紙調査費用として使用することを予定している。
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