研究実績の概要 |
本研究課題「小売サービスにおける顧客価値に関する実証研究」は、顧客価値 (customer value)における商品特性の影響および口コミとの関係を明らかにすることを目的としている。顧客価値は、顧客が製品やサービスに対して抱く有用性の評価であり 、企業が顧客満足や再利用意向を高める上で重要である。顧客価値次元については、申請者(高橋, 2018)が開発した「品質的価値」「価格的価値」「効率的価値」「審美的価値」「娯楽的価値」「認識(学習)的価値」の6次元を検討する。また、本研究のモデルでは、上記の顧客価値次元に加えて、「口コミ受信 」「口コミ発信」「再利用意向」「顧客満足」「商品特性 (最寄品/買回品)」を検討する。 今年度の研究成果は、大きく2点ある。第一に、次年度に予定している質問紙調査に備え、文献調査をしたことである。この成果の一部はNagasaki university DISCUSSION PAPER SERIES, No.2020-01(August 2020)において、「サービスにおける顧客価値次元と口コミの関係における検討」として報告した。 第二に、定性調査の手法について検討したことにある。本研究は上述した質問紙調査を実施した後、得られたモデルを定性的に検討するために、インタビュー調査を実施することを予定している。分析手法として用いる予定であるグランデッド・セオリー・アプローチについて、詳細な検討を行った。
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