研究課題/領域番号 |
19K13827
|
研究機関 | 城西大学 |
研究代表者 |
田部 渓哉 城西大学, 経営学部, 助教 (50706728)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
キーワード | ネイティブ広告 / メディア / 消費者行動 / 記事体広告 |
研究実績の概要 |
内容:①ネイティブ広告が増えている背景要因を整理し、論文にまとめて公表した。インターネット利用者数や利用時間の増加について、公表されているいくつか2次データを比較しながら正確な状況を探った。またこれまで印刷物の発行を中心としてきた新聞(新聞社)と雑誌(出版社)が、インターネットで展開するコンテンツを強化する動き(デジタルシフト)について、現状の動向をまとめた。プリントメディアにおいて、発行社と広告主が協同企画する記事体広告は伝統的である。新聞社と出版社は、記事と広告の両義的な性格を持つコンテンツをノウハウを有しており、このノウハウがデジタル領域でも生かされることで、ネイティブ広告が増えるという関係性を示した。②日本広告学会の全国大会において「ネイティブ広告の印象が広告効果に及ぼす影響」を報告し、研究領域が近い研究者から意見を聴取した。この研究ではネイティブ広告の広告効果に関して、オーディエンスが当該広告を「広告ではない」と誤認することにより、説得知識を用いた能動的対処を抑制し、対象のブランドや企業(事実上は広告主)に対して好意的態度を形成する点を示した。 意義と重要性:①今後、消費者の反応理解を中心に研究を進めていく。そのためには、広告主や媒体社がネイティブ広告を選択する理由を把握しておく必要がある。②ネイティブ広告への反応プロセスをより具体的な次元で読み解いていくために、まずは基本的なフローを検証する必要があった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
事前の質問内容を生成するための研究に時間を要した結果、広告実務関係者、および一般消費者への聞き取りを進められていない。新型コロナウイルスが及ぼす社会的影響を受け、インタビュー調査が進行しにくい状態である。
|
今後の研究の推進方策 |
社会情勢がバイアスのないインタビュー調査を実行できる状態に回復するまで、海外論文を中心とした既存研究のレビューに軸足を置く。また研究期間を有効に使うために、量的調査を前倒しして実行することを検討する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
研究の遅れから、インタビュー調査謝礼などに費用を要さなかったため。次年度に支出予定。
|