研究課題/領域番号 |
19K13832
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研究機関 | 東京経済大学 |
研究代表者 |
田中 智晃 東京経済大学, 経営学部, 准教授 (50609188)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 楽器流通 / 楽器市場 / 卸売会社 / 新見楽器 / 産業構造 |
研究実績の概要 |
今年度は新型コロナ禍が続き、新たな資料調査やインタビューがほとんどできなかったが、全国楽器協会との共同研究によって集めたデータと楽器卸商の新見楽器の社内資料を使って論文を1本作成することができた。また、これまでの研究成果によって、著書1冊を出版し、学会報告を1つオンラインで行うことが出来た。 詳しくは次の成果である。①「The Distribution and Market Size of Musical Instrument Industry in Japan」『東京経大学会誌(経営学)』314号、49-66頁、2022年2月。 ②『ピアノの日本史―楽器産業と消費者の形成― 』名古屋大学出版会、2021年6月。 ①の論文では、市場と流通の現状をまとめ、その上で卸売会社(新見楽器)の事例について歴史的に論じた。②の著書では、日本のピアノ産業史だけでなく、産業構造や流通、ヤマハ特約店の役割について論じた。特に②については、様々な研究者や業界人からフィードバックを得ることができた。この成果は2022年度の調査に生かし、新たな論文を作成する際に役立てる予定である。 さらに次の学会報告を行った。「イノベーションとマーケティングから考える電子楽器市場の歴史:ヤマハのエレクトーンを中心として」、第16回日本電子キーボード音楽学会 全国大会、2021年9月12日。イノベーションの観点から電子楽器の流通と現状について、ヤマハのエレクトーンを中心に発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2021年度も新型コロナ禍が続き、予定していたインタビュー調査や企業訪問ができなかった。一部ではオンライン・ツールを使ったインタビューを実施したが、対面による話し合いのようには上手くいかず、新たな資料を入手することもできなかった。また、雇用していたアルバイトも新型コロナ禍により、ほとんど作業を進めさせることができなかった。特に、研究室に保管されている資料整理はアルバイトによる作業が不可欠であり、この作業が滞ったため、資料分析が進まなかった。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度は新型コロナによる緊急事態宣言や蔓延防止措置があまり出ないと予想される。2年間遅れた研究を挽回する予定である。そのために、地方のインタビュー先を中心に早めに訪問する予定である。資料整理についても、アルバイトの勤務時間を増やすか人員を増員することで、作業スピードを上げる予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナ感染症の影響により研究計画が遅れており、次年度使用額が生じてしまった。
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